楽園ブログ

「いつも心に太陽を!」そんな気持ちで感じたことを綴っています。

〈Gルート最後の戦い〉が終わりましたね……

第5回公認心理師試験終了

先日、ずいぶんTwitterが賑やかになっているな、と思ったら、勝手にフォローさせて頂いている方々の第5回の公認心理師試験の結果発表が行われた日でした。合格された皆様には心よりお祝い申し上げます。大学や大学院で数年かけて知識や技能を血や肉にしてきた方にとってはあまりたいへんではないのかもしれませんが、医療なり福祉なりの現場で長年対人支援に携わってきた、所謂「Gルート」の皆さんにとっては、勉強時間確保の難しさもさることながら、けっして易しい試験ではないと思いますよ。合格された方の努力に深く敬意を表しますし、試験の難しさを考えると、残念であった方が多いことも致し方ないと感じますよ。公認心理師試験についてあまりこれを正直に言う人はいないようですが、ハッキリ言って難しすぎるとわたしは思います。

「Gルート最後の戦い」に敗れて……

「Gルート」の方で、今回の結果から様々な状況を鑑みて資格取得を断念せざるを得ない方もいらっしゃることと思います。わたくしのような者が何を言っても、何にもならないとは思いますが、いちおう広く対人支援に三十数年関わってきたものですから、少しだけ思いを書き記してみたいと思います。もし、途中で気分が悪くなられたら、すぐに読むのを已めてくださいね。

資格取得後も多くは現職のままという現実……

さて、資格取得者に対する追跡調査によると、公認心理師を取得しても現在の職業をそのまま継続している人はとても多いようですよ。これには様々な理由があると思いますが、やはり、私のように三十数年とはいかなくても、それまで継続してきた仕事のキャリアを全て捨てて、心理の世界へ飛び込んでいける人はけっして多くはないだろうと思うのです。どんな仕事であれ継続して続けていると、様々な経験をし、様々な人たちとの繋がりができ、そこにささやかながら自分が成し遂げてきた実績が積み上げられていくものですよ。実績なんて言うと烏滸がましいですが、頑張ればどんな仕事でも誰かの役に立てますし、そこに社会的な意義も必ず見えてきます。さらに年齢を重ねれば役職にも就くし、そうなれば後進の育成という、仕事を若い世代に伝えていくというさらに重要な仕事も加わってきます。もちろんその時分には給料だってそれに相応しいものになっていることでしょう。

つまり、政治家のように人々の目に触れなくても、誰に知られなくても、その人が仕事を通して築いてきたものは厳然とそこにあるものだと思うのです。しっかりとした実務経験を持つ「Gルート」の方は、社会的に、そして経済的に自立している人たちなのです。それを考えると、心理に関わる仕事がしたい、というような希望だけで動けない、というのが本当のところなのではないでしょうか。

現実は厳然として残酷で……

そう考えると、現在仕事をしていらっしゃらない方や内容があまりに不本意で全てのキャリアを無にしてでも心理の世界に飛び込みたい、という方にとっては試験の合否はダイレクトに人生や生き方に響くでしょうが、それぞれの現場でキャリアを積まれている多くの「Gルート」の方にとっては、何がどう影響するかは俄には判断がつかないことなのではないでしょうか。さらにキャリアを積み実力をつけていくうちには、新たな資格制度が開始されるかも知れませんし、さらに魅力的な資格にめぐり会うかも知れません。現実社会は、厳然として残酷です。実力のある者が評価され、意義のある仕事をするのです。Twitterを見ると、「Gルート」受験者の急増を背景に、心理職にある者の「論争のようなもの」をたびたび目にしますが、とても残念なことと思います。わたしは、資格取得後も自身が築いてきたキャリアと同等の価値を心理職の世界で生み出せるなどとは露ほども考えていませんから、当然仕事も変わっていません。言うまでもないことですが、心理を専門にしながら着実にキャリアを築いてきた人にかなうわけないではありませんか。しかし、それと同時に、わたしが三十数年にわたって現在の仕事を通して築いてきた知識や技能や実績、そして人脈の力ではそう簡単に負けはしないという自負も持っているつもりです。もうすぐキャリアを終える私がたどりついたもの、最後は実力という厳然たる事実、これが全てであったような気がします。残念な結果に終わってしまった方に何を言ってもという気持ちがしますが、私はそのように考えておりますし、それが実感なのであります。

いつも心に太陽を