楽園ブログ

「いつも心に太陽を!」そんな気持ちで感じたことを綴っています。

キャリアコンサルタント勉強中ですよ!〈第13回〉ダグラス・ホールの『プロティアン・キャリア』

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ホールの『プロティアン・キャリア』とは?

「キャリアコンサルタント」の理論において、決して欠くことのできないものに『プロティアン・キャリア』がありますよ。これは、米国、ボストン大学経営大学院のダグラス・T・ホール教授が提唱した言葉で、「組織の中よりもむしろ個人によって形成されるものであり、時代とともに個人の必要なものに見合うように変更されたもの」としてのキャリアのことです。

私は、目下のところ、「キャリアコンサルタント養成講座」を鋭意受講中(現在6日目が終了したところです~)でありますので、このような表現にも随分慣れてきましたが、何それ?、という人にとっては、?ちょっと、何言ってるか、わかんない、みたいなところだと思いますので、例によって、思い切りぶっちゃけますと、これからは、「刻々と移り変わっていく環境に対して、上手く対応するように変えていけるキャリア形成」が大事になる、ということですよ。「プロティアン」とは、「変幻自在」ということで、言葉の語源は、ギリシャ神話に出てくる海神プロテウスで、神プロテウスは、火にもなり、水にもなり、必要に応じて変幻自在に姿を変えることができる神であったことから、「変幻自在に対応する」キャリアを「プロティアン・キャリア」と呼ぶようになったのです。f:id:rakuenblog:20220209171752j:plainで、話としてはこれで終わりで、ふつうに考えれば、変化の著しい現代社会においては、「プロティアン・キャリア」を身につけていることが必要である、ということになるわけですから、いつものように失礼な言い方になってしまいますが、それって、「あたりまえ~」、みたいなことですよ。受験対策学習としては、そういうことを提唱したのが、「ダグラス・T・ホール」という人なんだな、と覚えることが必要なんですよね。でも、これに限ったことじゃないと思いますけど、それをこのまま覚えるだけなら、本当につまらないですし、あたりまえすぎて、現実には、全く役に立たないわけですよ。だから、しっかりとしたカウンセリングのできる人なのに、理論なんて合格すればもういいんだよ、みたいなことを言ったりするんですよ。でも、公認心理師の勉強しているときにも、痛烈に感じていましたが、私は、やっぱり理論って重要だと思うんですよ。そして、当然ですけど、理論はしっかりと理解することが大切だと思うのです。このブログでキャリアコンサルタントの勉強を取り上げようと思ったのは、理論をきちんと役に立てたい、そのためには、覚えるだけでなくて、きちんと理解するべきだな、そんな気持ちがあったからなんですよ。

じゃあ『プロティアン・キャリア』って何が重要なの?

ホールの『プロティアン・キャリア』の説明においては、極めて重要と思われる部分が、主に二点ありますよ。

まずひとつは、キャリアは「組織の中よりむしろ個人によって形成される」もの、と捉えたところです。これは、個人のキャリアは、会社や組織のためのもの、ではなく、個人のもの、と規定しているのです。「キャリアコンサルタント」の勉強をしている人で知らない人はいない法律に、「職業能力開発法」がありますが、ここでは、キャリア形成の主体が労働者自身であることが示されていて、会社や組織はそれを支援する、とされているわけですが、ホールの研究が、現代の私たちの社会に直接活きていることを感じますよ。人生100年時代を生きる私たちは、会社や組織のためのキャリア形成でなく、自分自身のためのキャリア形成を続け、キャリア・サバイバルを生きていかなければならないのです。「キャリアコンサルタント」が国家資格となったことも、無論、こうした現代社会の状況とそこからの展望によってであることは言うまでもありません。f:id:rakuenblog:20220209171853j:plain何のためのキャリア形成なのか?

『プロティアン・キャリア』で重要となる二つ目は、キャリア形成を、「時代とともに個人の必要なものに見合うように変更」するもの、と捉えたところです。つまり、移り変わる環境に対して、自らの欲求に応じて、変幻自在に方向転換していくものと規定しているのです。これは、キャリア形成とは何のためのものなのか、その目的は何か、ということです。それまでのキャリア形成の目的は、組織内で昇進して地位や高い給料をを得ること、とほぼ同義でしたが、すべての個人がそれをキャリア形成の目的と考えるとは限らないのであり、ホールは、自身の欲求に応じて、自身に必要なものに見合うように変えていくことが大切である、と考えたのです。自身のキャリア形成の目的を地位や給料のような、「社会経済的な成功」ではなく、自分らしさ、の追求、自己実現のような「心理的成功」と考えることが重要であるとしたわけですよ。これは、とても重要な観点ですね。私は、勤めを始めてから三十数年、その時々には特に何も思いませんでしたが、今思えば、競争に次ぐ競争を駆け抜けてきたように思います。それがあたりまえ、と感じていたものですよ。でも、人生の目的は、まさに人それぞれ、何をどう幸せと感じるかは様々なのです。人生100年時代にあっては、今後そのような考え方は間違いなく主流になってきますよ。「働き方改革」の大きなうねりの中で、私たちは、自分にとって、意義のあるキャリア形成をしていくことの大切さを実感しているわけですね。もちろん、キャリア支援する側にとって、これは重要な観点であることは言うまでもないことですし、現代という時代を考えると、「キャリアコンサルタント」の学びの大切さがヒシヒシと感じられる理論のひとつだと思うますよ!f:id:rakuenblog:20220209171831j:plainいつも心に太陽を