楽園ブログ

「いつも心に太陽を!」そんな気持ちで感じたことを綴っています。

五月病に負けるな! Deci&Ryanのモチベーション理論

五月病」の季節ですよ!

今年のGWは、微妙な飛び石連休で、遠くへ行きたい人には不満もあるでしょうが、コロナ禍でもありますので、お気楽な気分を長く味わうには良いカレンダーだな、なんて思っていましたが、いよいよ後半になると、わたしのようなオジさんでも、やっぱりすこーし憂鬱な感じがしてきましたよ。わたしなどは、またいつものこと、で済みますが、きっと楽しく過ごしちゃってる若い人などは、その分ビミョーな気分も深刻になるのではないでしょうか。特に新入生や新入社員みたいな人の中には、笑えないほどモチベーションがダウンする人もいるのですからたいへんな時期と言えますよね。もうずいぶん昔の話ですが、「五月病」について、わたしには初めて部下を持ったときのささやかな思い出がありまして、いつものように少し心理学の学びについて考えてみますよ。

Deci&Ryanの「モチベーション理論」

以前のブログで、Deci&Ryanの「自己決定理論」について、私なりの学びについて書いてみましたが、Deci&Ryanの欲求理論には本当に多くの学びがあり、私たちの生活の中にも生きているな、と実感することがしばしばありますよ。今回考えるのは、欲求理論としての、Deci&Ryanの3つの基本的な欲求です。Deci&Ryanによると、人間には「有能さ」、「関係性」、「自律性」という基本欲求があり、これが「内発的動機づけ」につながっていく「自己決定理論」の根幹を支えるているということになるのですよ。わたしは、新入社員の人の「五月病」を思うと、やはりこの基本欲求について、その関連性を強く思わざるを得ないのですよ。

さて、わたしが初めて係長を任されて、揚々と業務に取り組んでいた頃のことです。その春に新採用になった女性職員から5月の中頃に相談を受けたことがあるのですよ。もう30年も前のことなので、あまり正確ではありませんが、彼女が言うには、連休明けから精神的に不安定になってしまった、仕事もあまり面白いとは思えない、そんなときにHさん(わたし)の仕事ぶりを見ていると、この先とても同じようにエネルギッシュに仕事にのめり込める気がしない、そんな内容だったと思います。わたしは、初めて部下から受けた相談なので、とても緊張してしまい、自分の力量が試されているようでもあり、ずいぶん混乱してしまったのをおぼえています。

新任係長の私にあって新採用の彼女になかったもの……

わたしは単純な人間なので、初めて係長になって舞い上がって頑張っていたということもあるでしょうが、それを置いておいて、冷静に考えると、そのときの私にあって彼女になかったものは、やはりDeci&Ryanの3つの基本欲求である「有能さ」であり、「関係性」、「自律性」であったと思うのですよ。大学を出て自分の望んだ職業に就けたとしても、そうそう好きな仕事ばかりではありませんよね。なんだ、こんなこともしなければならないのか、と思うこともたくさんあるものですよ。でも、その分気の進まなかった仕事が次第に面白くなっていくという経験もやはりたくさんあるものです。これをDeci&Ryanにしたがって考えてみれば、嫌々始めた仕事だけれど、みんなと工夫しながら取り組んだら(関係性)けっこう楽しくなったし、自分も意外と上手くやれた(有能さ)ことで上司から高く評価されて嬉しくなったし、そのうちやり方を自分に任せてもらうようになって(自律性)、だんだん仕事に充実感を感じるようになった、みたいな流れになるのでしょうか。新採用の彼女には、悩んだり、励まし合ったりしながら仕事に取り組む仲間がまだいなかったし、能力を認められるほどの仕事量もしていなかったし、当然と言えば当然ですが、決定権を持って任されている仕事もなかったのですから、その3つを持って仕事に邁進しているわたしが異星人のように見えたのかも知れません。

心理学の理論には本当に多くの学びがあるものですが、特に、Deci&RyanやMcClellandのようなモチベーション理論は、やはり対人支援に欠かせない理論と言えるのではないでしょうか。あれから30年あまり、今のわたしなら、彼女にどんなアドバイスができるかな、そんなことを思う連休の後半ですよ。

いつも心に太陽を

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