楽園ブログ

「いつも心に太陽を!」そんな気持ちで感じたことを綴っています。

職業選択の基準となった『引っ越し』のアルバイト!

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今週のお題「引っ越し」

あの日を境に私の職業感がひとつ創られましたよ!

「引っ越し」と聞いて何よりも思い出すのは、思い出深い、自身が経験した何度かの引っ越しではなく、大学1年の時に経験した、アルバイト経験としての「引っ越し」ですよ。決して十分ではないものの、親からは仕送りを受けていましたし、柄にもなく「家庭教師」なんというバイトもしていましたので、どうしてもお金に困るような状況ではなかったのですが、アルバイトの雑誌(「日刊アルバイトニュース」だったと思います!)をなんとなく捲っていて、一日限りで、その場で一万円もらえて、これ本当かな?オレにもできるかな?昔ドラマでそんなアルバイトしているの見たような気がするな、何でも経験だからな、もし5日やったら6万円ももらえちゃうのかな、すごいな、みたいな興味津々で試しに行ってみることにしたのですよ。

そんでもって、雑誌に書いてあるとおりの指定された場所に行ってみたのでしたよ。たしか、品川駅の近くで、朝出かけてみると、「手配師」みたいな人を中心に、その日の仕事にありつこうとする人たちでごった返してましたよ。私もその列に並んで、怖そうな、とても大きなおじさんに受け付けされて、見たこともないような人たちと一緒にバスに乗せられて、もうほんとマジで怖かったんですよ。でも、若かったというか、ばかだったというか、怖いもの見たさみたいなこともあったのですが、連れて行かれたところは、日通のトラック駐車場でした。少し安心して待っていると、アルバイトは一人ずつ専門の運ちゃんにあてがわれて、一日引っ越しの補助をする、ということになったのでした。わたしが付いたドライバーは、どう見ても60歳近くのオジさんで、身体つきも決して大きくはなく、この人にも務まるならなんとかなるかな、みたいな感じですこーし気持ちが楽になったのをおぼえていますよ。

ところが、引っ越し依頼のお宅(自衛官の偉い人だっと思います)に赴いて、荷物を運び始めるや、わたしはその道の「プロ」の実力をまざまざと見せつけられたのでしたよ。とにかく力持ちで、わたしがひょろひょろ持っている荷物を軽々と(そんなふうに見えました)持ち上げては、どんどんトラックの中に入れてしまうのですよ。30分もしないうちに自身の「限界」を超えていたわたしは、オジさんの指示になんとか従おうとするのですが、もうめちゃくちゃな気分で、よれよれで、やけくそで、破れかぶれで、半分以上泣いていましたよ。引っ越し先に向かう途中で、オジさんの行きつけの食堂でお昼になったのですが、もう意識朦朧状態で、これから引っ越し先で、積んだ荷物をぜんぶ家に入れるのだと思うだけで、気が変になりそうなくらいでしたよ。ほんとうに「しょっぱい」ラーメンでしたよ。

f:id:rakuenblog:20220307141649j:plainそんなこんなですべての荷物の搬入が終わったのは、もう夕方だったと思いますが、あまりの疲労と自身の体力のなさ、考えの甘さに対する悲痛な自己嫌悪とでよくおぼえていません。終わり際に、引っ越し先の奥さんが、いわゆる「心遣い」として、わたしにも5千円くれたときには、完全に泣いていましたよ。帰りにトラック駐車場に向かう車中で、何も言葉を発せなくなっていたわたしに、オジさんが、次も一緒になったらよろしくなっ、と憐れむように言葉をかけてくれたのはおぼえていますよ。もちろんわたしが、日雇いの手配師さんの列に並ぶことはもうありませんでしたよ。思い知りましたよ。肉体労働は、自分には無理だ、それだけが自分自身に刻まれた一日でしたよ。

f:id:rakuenblog:20220307141535j:plainいつも心に太陽を