楽園ブログ

「いつも心に太陽を!」そんな気持ちで感じたことを綴っています。

24時間戦えますか? ホントは身近な心理学!

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心理学の歴史は短い?

心理学について、忘却曲線で知られるエビングハウスは、「過去は長いが、歴史は短い」と有名な言葉を残しましたが、学問的な歴史はともかく、心理学が誰にとっても身近な存在になったのは、本当につい最近のような気がしますよ。

そんなことをふと考えたのは、あるとき、心理学に興味を持ったきっかけについて問われたことからでした。私は、80年代に学生生活を過ごしましたが、学部の専攻にかかわらず、フロイトユングなどはひとつの教養として確固たるものがありましたし、当時はもちろんそんな言葉はありませんでしたが、昔の「意識高い系」の人たちにとっては、ファッションのような要素すらありましたよ。私は、国文科の学生でしたが、「フロイトは、こんなふうに言うんだよね」みたいなことを見たきたように話している先輩もいましたよ。そうそう、エリクソンの「アイデンティティ」なんか、まさにファッションアイテムみたいでしたね。あれ、「意識の高い」人には堪らなかったんでしょう。でも、やっぱり心理学が私たちのすぐ隣にある、みたいな感覚はありませんでしたよ。

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とても24時間は戦えない!

話は変わりますが、かつて『24時間戦えますか~?』というTVコマーシャルがありました。私自身、社会人となり、夢中で仕事に取り組んでいるときでしたので、当時はあまり頓着しませんでしたが、今思うと、とても危うい時代であったな、と思わざるを得ないのですよ。コマーシャルは、エネルギッシュなビジネスマンが、栄養ドリンクをグイッと飲み干し、長時間働き続けることを誇るかのような内容でした。あれを見て、オレもあれを飲んで頑張るぞ~、みたいな人は良いでしょうが、様々な不安の中でなんとか日々持ちこたえているような人も当然いたはずのなので、そんな人々には、さぞかし厳しいものだったと思いますよ。でも、そういう人たちには目が向かない時代でしたよ。コマーシャルを出していた製薬会社によると、あれは24時間働き続けることを奨励したものではもちろんなくて、オンとオフをきちんと意識して、元気な毎日を!というメッセージだった、ということでした。当時でさえそのような説明が必要だったのです。まして、現代は、「働き方改革」の時代であり、「ブラック企業」なる言葉まである時代ですよ。どんなエラい人も、公式な言葉で、24時間働け、みたいなこと言えっこない時代です。あのコマーシャル、やっぱきついですよ。

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私たちのすぐそばにある心理学!

コマーシャルが話題となり、「24時間戦えますか」が流行語大賞となったのは、1989年でした。その後の我が国は、バブル崩壊から長い混迷の時代に突入していくわけであり、1992年まで首位にいた、IMDの「世界競争力年鑑」の順位は、2021年には総合順位で31位まで順調に(?)順位を下げていることを考えると、「24時間戦えますか」に映し出されたビジネスマンは戦火に散った兵士のようですよ。

さて、時代は平成、令和と進み、栄養ドリンクを飲み、目を血走らせていては、思考はまとまらず、パフォーマンスが低下してしまうと、米国の一流企業が、挙ってマインドフルネスや瞑想を公式な研修に取り入れる時代です。まさに隔世の感というしかありませんが、同時に心理学にできることも明確になり、今を生きる私たちとの距離もとても近く感じられるようになったと言えるのではないでしょうか。いや、心理学こそが、現代の私たちを支えていると言った方が良いようにも思いますよ。f:id:rakuenblog:20220221125253j:plain

いつも心に太陽を