キャリアコンサルタント 勉強中ですよ〈第3回〉
自己理解から始まりますよ！
キャリコンサルティングの基本、それは相談者の自己理解を促して、自己肯定感につなげていくことです。もちろんこれは、養成講座からの「受け売り」ですよ。ホントに勉強を始めたばかりなんですから('-'*)。
これって当たり前ですよね。そりゃぁ、そうですよ、みたいな感じですよ。でも、こうして講習に参加して、時間をとって考えていくと、なんだか、とても重要なことに気が付き出しましたよ。
それは、自分について、人は他人に話している自分とはぜんぜん違う自分を隠し持っている、ということはしばしばあることで、そして、さらに厄介なのは、そんな自分の本当の願望に自分自身ですら気づいていない、そんな人は意外と多いのではないか、ということです。
自分で自分がわからない？
随分前のことですが、後輩から、なかなか係長職に任命されないのは、何か自分に問題があるのか、との相談を受けたことがあります。どこの組織も同じでしょうが、組織のポストは限られていますから、同じくらいの年まわりにたまたま人が多かったりすると、実力や成績に特に問題がなくても、昇進が遅れてしまうことは珍しくはありません。これもいわゆる「キャリア・プラトー」のひとつですね。私は先輩として、そのように伝え、腐らず頑張ろうよ、みたいな話をしたと思うのですが、そのとき、彼は幾度となく、「いや、自分は出世をしたいわけではないのです」と繰り返し、昇進できないことではなく、自分の問題を頻りに気にしているようでした。ですから、私も、何も問題はないのだから、きっと大丈夫だよ、みたいな返答を繰り返してしまいました。本当に能力的には彼に全く問題を感じていなかったです。
あれから、十数年の時を経て、彼と私は所属も変わり、私が管理職となったこともあるのでしょうが、親しく言葉を交わすこともなくなっていました。今でも顔を合わせることはありますが、こちらが相好を崩して話しかけてもなかなか話が続きません。彼にもかつてのような精気が感じられなくなっていましたし、どことなく、避けられている、ような気もしていました。本当に明朗且つエネルギッシュで、仕事熱心な人であったので、とても惜しい気がします。現在の上司にそれとなく彼の様子を聞いてみると、とてもプライドが高く、他の者と上手くやれない、本当は出世したかったんだろう、というような話でした。
私の眼力が足りなかったのです。何度も「別に出世したいわけではないのです」と繰り返す彼の本心に気づいてやれなかった。もしそれを察してやれれば、違うアドバイスができたはずでした。
しかし、私は、自身を猛省するとともに、別の考えにも至っていました。それは、私に相談をしてきた彼自身ですら、少なくとも自分の本心、「本意」に気づいていなかったのではないか、という思いです。
自分のことが一番難しい！
いやいや、それはないでしょう。自分のことなんだから。それは、たぶん自分の気持ちにはちゃんと気づいていたけれど、心理的な距離感からストレートに話せなかっただけですよ。そんな意見も、もちろんあるでしょう。でもって、詰まるところ、それが正解なのかも知れません。
でも、気になることも思いつきましたよ。やはり随分昔の話ですが、心理学の話で、人に自分が心の底からやりたくない仕事を３つ挙げさせると、多くの人がすらすらと挙げるけれど、実は本人が、本心では、親や先生など周囲の期待も全く気にしなくてよいということなら、本当の本当はやりたい仕事がその３つの中にある、という話です。聞いた話ですし、昔のことなので、少し趣旨が違ってしまっているかも知れませんし、私が都合の良いように理解しているだけかも知れませんが、少し考えさせられる問題だと思いませんか？
だって、職業を選択していく時、自分に期待してくれている母親をがっかりさせたくないとか、友達よりも給料で負けたくないとか、彼女にすごいねぇーなんて言っててもらいたいとか、自分を馬鹿にしていた連中を見返したいだとか、人は本当に様々な思いの中で揺れていると思うのですよ。そんな中で、自分が本当にやりたい仕事というのがどれほど生きてくるのか、本当にやりたい仕事に就けた、という人の方が少ないのは当然のような気がするのですよ。
本当の自分を捉えること、もちろん言うほど簡単なことではないでしょう。でも、三十数年間の自分のキャリアを振り返ってみると、自分の本当の希望とかけ離れた仕事をしていると、やはり充実した日々は過ごせないのではないか、と痛感しています。
私は、資格が欲しくて心理学を学び、うっかりその虜になりましたが、キャリアコンサルタントもとても奥が深いですよ。これから色々学んでいくのが楽しみですよ。
