楽園ブログ

「いつも心に太陽を!」そんな気持ちで感じたことを綴っています。

キャリアコンサルタント勉強中ですよ!〈第14回〉『自己効力感』と『自己肯定感』

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『自己効力感』と『自己肯定感』の違い?

『自己効力感』とは何でしょう?『自己肯定感』とは何が違うのでしょう?私は、現在「キャリアコンサルタント」養成講座を受講中なのですが、前回の講習中に、カウンセリングをする側としての『自己効力感』と『自己肯定感』の違いが、自分の中ではっきりと浮き彫りになりましたよ。キャリコンについて勉強している人にとっては常識ですが、キャリアカウンセリングでは、クライエントの抱える問題について、その後の支援のために、いくつかの分類が行われるのですよ。その分類に『自己効力感』というのがあるのはどうなのか、という問題があるのですよ。もちろん、ここでは、学問上の解釈について、云々するつもりはありません。それを言い出せば、きっと心理学では鉄板の、アルバート・バンデューラの「社会的学習理論」の背景としての認知心理学を説明しなければならないでしょう。でも、心理支援もキャリア支援も、実際の支援の場において、クライエントの力になることが第一義的な価値なのであり、学問上の解釈で正しくても、クライエントにとって意味のあるものでなければならないからですよ。

講座を終えたところで、私は、支援するという前提に立つとき、クライエントの問題として、『自己効力感』はあるけど、『自己肯定感』はない方が良いな。と感じたのですよ。で、そう感じるということは、少なくとも、私の中では、この二つには違いがあると言うことなので、ここではこれについて考えてみることにしましたよ。

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『自己効力感(self-efficacy)』て何?

「自分がある状況において必要な行動をうまく遂行できると、自分の可能性を認知していること」と定義される『自己効力感』ですが、もちろんこれでは何のことかわかりませんし、『自己肯定感』でも良いんじゃね?、みたいなことにもなりかねませんので、少しだけ理屈も考えてみますと、まず、『自己効力感』とは、「自分の持っている能力を使うことで、最終的にこんな結果が期待できる」という予測ができ、自分はそのための行動を上手くできるだろうという予測が立っていることです。あまり重要ではありませんが、専門的には、前者を「結果期待」、後者を「効力予期」なんて言うこともあります。つまりは、『自己効力感』は、自分の持つ能力を上手く発揮することで、一定の結果が得られるだろうと予測できる、客観的な分析に基づいたものなのです。これに対して、『自己肯定感』は、「自分に満足している」とか、「今の自分で良い」というような、ぶっちゃけ、なんとなくそう思える、みたいな主観的な感覚のことを言っているのではないでしょうか。

OECD生徒の学習到達度調査(PISA)の調査結果」は、あまりに有名なので、目にしたことのある人も多いだろうと思うのですが、アメリカや中国の若者は極めて高いのに、日本の若者はとても低いとして、よく問題視されるているのは、『自己肯定感』の方ですよ。PISAの調査結果を見て、日本の若者の『自己肯定感』を高めることが必要だ、みたいな論調がありますが、「高くなれ~、高くなれ~」みたいな、呪文を唱えるだけで高くなるのなら良いのですが、それが主観、感情の部分であることを考えると、決して簡単なことではないはずですし、歴史的、社会的、文化的な背景が全く違うなかで比較することが、果たしてどうなのか、という議論にもなりますよ。

『自己効力感』のほうは、少し事情が違ってきますよ。ある結果が期待できるということは、そのために自分がすべき行動の効果が分析できている、ということであり、分析は、客観的かつ具体的な根拠を元にしているはずですから、「まったく自信ないけど、オレならきっとできる」みたいなのとは、決定的に異なるのは、誰にも理解できるところですよね。f:id:rakuenblog:20220210154339j:plain『自己効力感』と『自己肯定感』支援できるのはどっち?

まだ、キャリアコンサルタント養成講座を半分終えたばかりの、資格取得の目途も立っていない私のような者が、こんなことを言うは恐れ多いのですが、『自己肯定感』の不足を支援するのは、狭義の「キャリアコンサルタント」の支援ではないような気がしますよ。やはり、これは心理カウンセリングの範囲のように思えて仕方ないのです。一方、『自己効力感』のほうは、キャリアとして支援につなげることができますよね。資格であったり、実務経験であったり、それらを総合していけば、ある程度結果を予期することは可能だろうと思うからです。明らかな根拠を示して分析し、クライエントを確実にエンパワメントしていくことができれば、キャリアコンサルタントとして価値のある仕事と言えるのではないかと思うのですよ。

いやはや、思っていた以上に「キャリアコンサルタント」の学習にのめり込んでしまいましたよ。でも、これはカウンセリング支援の奥深さであり、その学びの面白さなんですよね。きっと。

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