楽園ブログ

「いつも心に太陽を!」そんな気持ちで感じたことを綴っています。

キャリアコンサルタント勉強中ですよ!〈第16回〉『エンプロイアビリティ』

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人生100年時代』の到来!

「Society5.0時代を切り拓く人材の育成」(一般社団法人日本経済団体連合会)によれば、わが国では「人生100年時代」の到来により、職業人生が長期化し、キャリア・トランジションを経験する働き手が増えていくことが予想されていますが、人生100年時代の到来を待つまでもなく、現在でも転職は大きなトピックとして、様々な形で私たちの生活の近い位置にあるものです。わたしは、大学卒業後に就職した先で、数度の転属は経験したものの、これまでずっと同じところに務めてきましたので、転職には縁がありませんでした。このたび、キャリアコンサルタントの資格を取得しようと考えたのは、自身の定年を意識し、初めて転職(正確には違うけど……)について考え始めたからでした。

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さて、転職経験のないわたしが、転職についてぼんやりと思っている印象は、「決して甘いものではない、能力があっても十分に評価されず、給与面では大きく下がってしまうことも多いので、生涯賃金等を考えると、軽々に仕事を変わるもんじゃない」というかなりネガティブなものでした。おそらくは、昭和一ケタ生まれの両親の教えがその基盤になっていると思われますよ。知人が転職でかなり恵まれた環境を手に入れたという情報にも時折ふれましたが、基本的に転職に対するイメージはあまり良くなかったように思います。何よりも、所得が下がってしまう、という意識が強かったように思うのです。しかし、なんとなくそうなんだろうな、という気がしていたわたしですが、現在「キャリアコンサルタント」の勉強をする中で、なるほど、それはそうだよなぁ、と思う学びがありましたので、今回はそこを考えてみようと思います。

『エンプロイアビリティ』を知っていますか?

『エンプロイアビリティ(Employability)』とは、Employ(雇用する)とAbility(能力)を組み合わせた言葉で、「労働者として雇用され得る能力」や「継続して雇用されるための能力」のことです。「エンプロイアビリティ」に含まれる能力とは、専門知識や実務能力、対人関係の構築能力、コミュニケーション能力、仕事に対するモチベーションなど、多岐にわたるとされています。詰まるところ、企業が賃金を払って雇いたい能力、みたいなところでしょうか。もちろんこれはあたりまえなことですよ。お金を払う価値のない人を企業が雇用するはずありませんからね。でも、ここをよく見ていくと、会社を変わると、給与が下がってしまう仕組みがわかってくるのですよ。

「労働移動を可能にする能力」!?

キャリコンの勉強をしている人で、見たことのない人はいないものに以下のようなものがありますよ。一般的な人のエンプロイアビリティの構成をわかりやすく示したものです。AとBとCを合わせてエンプロイアビリティと呼ぶのですが、それが要素に分けて考えているのですね。

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注目すべきは、黄色く塗られたところ、「労働移動を可能にする能力」ですよ。わかりやすく言えば、この部分は、たとえ会社を変わっても、生きてくる能力ということです。ふつう長年同じ会社に勤めていれば、その会社での仕事に対応する能力を自分で身につけたり、会社から支援を受けて、研修などで身につけることになりますから、上の図のようなエンプロイアビリティになるのが当然と言えば当然ですよ。でも、これだと会社を変わったら、Aの部分しかもって出られないわけですから、面積が小さくなっている分、所得が下がってしまうのは仕方ないですよね。でも、世の中には、本人の自助努力により、様々な能力開発や職能成長を遂げて次のような状態になっている人もいるのですよ。

f:id:rakuenblog:20220316154728j:plain違いがわかりますかね。Aの部分が大きく成長しているのですよ。資格などを取得して専門的な知識を高めたり、高いコミュニケーション能力や人間関係構築能力を発揮して広い人脈を持っていたりと、たとえ会社が変わっても給与を下げられることなく、むしろ上がってしまうくらいの自助努力をすること、なんだかとてもたいへんなことですが、これができていれば転職は決して不利ではないと誰にもわかりますよね。そうです、転職が本人のステップアップにつながるかどうかは、運などではないのです。あいつ、転職先の業績が急激に伸びて、本当にラッキーなやつだよな、みたいな言い方をされる人いますよね。なかには、本当にラッキーな人もいるかも知れませんが、多くは、Aをちゃんと大きくするために、自分で努力をしてきた人なんだと思います。

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労働者の職業能力を向上させることが労働者の地位の向上と職業の安定につながり、経済と社会の発展につながっていくとした「職業能力開発促進法」は、キャリアコンサルタントにとっては最も重要な法律のひとつですが、ここで求められていることは、労働者自らが自身の職業能力を向上させるために取り組まなければならないのであり、事業主は労働者の職業能力を向上させるために様々な方向から支援を行うということです。人生100年を生きていく、ということは、労働者一人ひとりが自らの責任で、自身の能力を高めながら生き抜いていく時代でもあるのですよ。国が「キャリアコンサルタント」を国家資格化したのも、わが国がこれから直面する時代の厳しさを十分に考えてのことであることは言うまでもありませんね。少し大げさに言うと、少子高齢化の最先端を行くわが国の本当の国力が、これから試されていくと言っていいのではないでしょうか。みんな、覚悟はできているかな?

f:id:rakuenblog:20220316170944j:plainいつも心に太陽を