楽園ブログ

「いつも心に太陽を!」そんな気持ちで感じたことを綴っています。

キャリアコンサルタント勉強中ですよ!〈第12回〉  『自己決定理論』とマズローの『欲求5段階説』

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『自己決定理論』を知っていますか?
自己決定、誰かに命令されるのではなく、自分で自分の目指すべきとところを決定し、その目標に向かって努力をすること。一般的な理解のとおりであるとすると、なるほど、「自己決定理論」は、学校や学習塾などにおいて、先生が保護者や子どもたちに向かって、話していそうだな、と思いますよね。そりゃあ、誰がどう考えたって、命令されてやるのより、自分で「よし、やろう!」と決意してからの方が、なんだってうまく行きそうな気がしますよ。私は今、「キャリアコンサルタント」の資格を目指して曲がりなりにも勉強をはじめたところですが、職業選択やキャリア形成においても、「自己決定理論」に対する理解はとても重要ですよ。「やらされ仕事」で生き生き働けるわけがないですものね。でも、何でも自分で決定することが重要である、みたいな理解では、心理職としての支援はもちろんのこと、キャリア支援の現場でも、全くもって不足と言わなければならないのですよ。
デシとライアン(Deci&Ryan)の『自己決定理論』とは?
デシとライアンの「自己決定理論」のすばらしいところは、自発的に何かに取り組むという、自発的な行為を、「自律性」の観点から4つの段階に分類分けしたことですよ。自発的なら、何でも同じ、ではないわけです。理論に従って自己決定の4段階を書き出してみると、
①「外的調整」   →叱られたくない 褒められたい    だから 自ら頑張る
②「取り入れ的調整」→恥ずかしい よく思われたい     だから 自ら頑張る
③「同一化的調整」 →目標のために必要 何かを取得したい だから 自ら頑張る
④「総合的調整」  →能力を高めたい 幸せになれる    だから 自ら頑張る
という感じになります。
「自己決定」にもいろいろあるんだ!
デシとライアンの「自己決定理論」がいかに大きなインパクトがあったのか、よく分かります。段階が進むほどに、自律性が高まっているのがよく分かりますね。心理支援においても、キャリア支援においても、ここをきちんと押さえてクライエントに向き合っていかなければならないと思うのですよ。相談の場面では、ハイ、わかりました、面接に行ってみます、なんて、調子よく答える人が、結局、約束の面接には行かない、みたいなのは、職業支援のあるある、だと思いますが、そういう人は、自己決定のレベルがたいてい①の「外的調整」の段階で、叱られたくないから、調子の良いことを言っているに過ぎないのだと思いますよ。もちろん、そこでは、自分のことなんだから、自分で考えて、頑張るんだよっ、みたいな、大雑把な支援では成果を得ることが難しいのは明らかですね。

f:id:rakuenblog:20220204160508p:plain「自己決定」にはさらに上の段階がある!
公認心理師試験やキャリアコンサルタント試験の受験予定者で、アメリカの心理学者、アブラハム・ハロルド・マズロー(Abraham Harold Maslow)を知らない人はいないと思います。かの有名な「欲求段階説」の最も偉大なところは、人間の欲求を階層として分類したことではなく、「生理的な欲求」から「承認の欲求」まで、段階的に満たすことができた人間は、さらにその上の「自己実現」をしようとする、と考えて、これは「満たされない何かを補おうとする」欠乏欲求ではなく、人間に本来備わっている、不自由はしてないが、「自分にしかできないことをなしとげたい、自分らしくありたい」という、「成長欲求」なのである、と看破したところではないかと思うのです。
デシとライアンの「自己決定理論」における最上位の「総合的調整」である、能力を高めたい、とか、幸せになりたい、という目標は、とても自律的で、素晴らしいと思うけれども、これは、どこまで推し進めていっても、「欠乏欲求」、つまり、足りないものを求めていく行動でしかないのです。日常生活を営みながら、また、働いてキャリアを形成しながら、自身が満足していくためには、はやり、「自分らしくありたい、自分にしかできないことを成し遂げたい」という、「成長欲求」にしたがって取り組んでいくことが必要であることは明らかですよ。

f:id:rakuenblog:20220204155934j:plain心理支援でも、キャリア支援でも、「成長欲求」を視野において進めていかなければなりませんよ。働いて、それに見合うだけの所得を得る、ことはもちろん重要ですけど、誰もが羨む高収入を得ながら、全くサエない人生を送る人もいれば、他人から「安月給」などと言われながらも、毎日を生き生きと過ごし、満足のいく生活を送れている人もたくさんいるのですよ。人間は、本当に面白いですよ。だからこそ、人を支援していくことは必要だし、価値のあることなのだと思いますよ!

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