楽園ブログ

「いつも心に太陽を!」そんな気持ちで感じたことを綴っています。

キャリアコンサルタント勉強中ですよ!(第1回)

クランボルツ理論を知っていますか?

「クランボルツ理論」とは、スタンフォード大学の教育・心理学部教授のジョン・クランボルツ教授によって提唱されたこの理論のことで、その基本的な考え方は「人間が人生で経験する様々なキャリアのうち、80%は予期しない偶然の出来事によって形成される」というものですよ。「Planned Happenstance=計画された偶然性」なんて、ちょっとおしゃれな言い方をされることもあります。

クランボルツ理論の何が面白いのか!

で、これの何が面白いのかっていうと、人は人生で何者かになろうとするときに、最終的にそれになるには、どんな学校に進み、何を学び、どんなスキルを身に着け、どんな資格を取得しなければならないのか、を計画するのが当然ですよね。今もあるかどうか知りませんが、私が通っていた学校の図書室には、「なるには本」というのがありましたよ。「弁護士になるには」「薬剤師になるには」みたいは本のことですよ。昭和の頃の進路指導は、その「なるには本」をまさに実践していたといえるのではないでしょうか。つまり、教師たちは生徒のモチベーションを上げるために、学習の動機付け、方向づけとして、まずゴールを明確に設定させ、そこに至るまでに自分には何が必要か、今をどう生きることが大切なのかを考えさせたのですよ。時代が進んで平成の時代になると、「ドリカムプラン」なんて、さらにシャレオツな名称も使われたりしたようですよ。なんとか生徒を学び対して、積極的に主体的に向かわせようということですね。先生の気持ちに寄り添う指導理論ですよ。

でも、この「クランボルツ理論」は、人間が経験するキャリアのほとんどは偶然なんだぞ。と言い切ってしまうんですよ。だから、小さいころから、〇〇になりたい、と意気込んで、計画的にそれに向かって進んでいても、なかなかそこには行きつかないかもしれませんよ、みたいなことを言っちゃってることになるわけなんですよ。これ凄くないですか?30年前の学校の先生が聞いたら、きっと怒っちゃうんじゃないですかね?頑張って努力して勉強しても、大方人生を支配するのは偶然だぜ、みたいなことなんですから。

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卓見ですよ!「クランボルツ理論」!!

社会が膨張につぐ膨張、拡張につぐ拡張を続けていた、いわゆる「右肩上がり」の時代、人々が追い求める価値が決して揺るがなかった社会では、「クランボルツ理論」は、あまり大きな影響力を持ちえなかったかもしれませんが、AIの登場で急激な高度情報化の波に揺さぶられる現代のように、価値観が一瞬で大きく転換し、これまであった職業が簡単に機械にとって代わられ、この先もなくなることが現実的に予想される職業が多くあることが知られるようになると、俄然話は変わってきますよ。

現代はまさに先の読めない時代です。ずいぶん前の話になりますが、米国デューク大学の研究者であるキャシー・デビッドソン氏が、2011年8月のニューヨークタイムズ紙インタビューで語った、「2011年度にアメリカの小学校に入学した子どもたちの65%は、大学卒業時に今は存在していない職業に就くだろう」という言葉、いや預言(?)は本当に衝撃でしたよ。同時になくなる職業も具体的に列記されたのだからもう大変ですよ。ちなみに私の職も入っていましたよ~。あれぇ〜。

「クランボルツ理論」の示した方向性はここに明確にその価値をあらわした、といえるのではないでしょうか。すこし乱暴に言ってしまうと、目標をもって一生懸命勉強していても、その仕事、キミが大人になるころにはないかも~、みたいなことを踏まえて理論が組み立てられているということですものね。

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「クランボルツ理論」でもとめられるものとは?

人生で経験する多くのキャリアが偶然に支配されているとしたら、その中で私たちはどう生きたらいいのでしょうか?

クランボルツ先生は、人生で経験する多くの、様々な変化の中からチャンスをつかみ、それを自分のモノにして、主体的に自らのキャリアを切り開いていくしかないといっているのです。あらかじめ持っていたプランにあわないからと言ってチャンスを拒むことなく、自分を活かす経験として積極的にとらえたりすることが必要だというのです。そして、クランボルツ先生は、チャンスを捉えるための行動指針として「好奇心」「持続性」「柔軟性」「楽観性」「冒険心」が大切であるとしているのですよ。

人生を生き抜くエンジンとは?

わたしは、「クランボルツ理論」が意味を持つ社会って痛快だなぁ~って思いますよ。なぜなら、答えが必ずどこかにあって、多くの知識をさっと覚えて、素早い計算で解答を最も効率的に導き出せる、つまりは高偏差値の人間が、全く及びもつかないような成功を、決して学校では見いだされなかった才能を開花させて手に入れている人間が多い社会、それが現代だと思うからですよ。特にわたしが注目したいのは、クランボルツ先生が指針として示したもののうち、「好奇心」と「持続性」ですよ。「好奇心」は、脳の前頭前野を刺激し続ける地道な訓練である程度開発できることはすでに科学的に証明されているようですし、「持続性」は生来持っている真面目さや辛抱強さが決して馬鹿にされないということではないですか。まったくもって素晴らしいですよ、クランボルツ先生。2019年にすでにお亡くなりになっているのはとても残念ですが、老境に臨むわたしにとっても、素晴らしい学びとなりました。今後の仕事にぜひ活かしていきたいと密かに心に秘めているのです。まだまだ、若い人のために役に立つ仕事ができるかもしれないとなんだか少し勇気が出ましたよ。

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